冷蔵庫、洗濯機、車、エアコン、テレビ。
物が増えれば豊かさが増えていた。
高品質低価格、大量に高速に効率よく。
そうやって私達は豊かになった。
しかし今はどうだろうか。
ミニマリスト、捨てる技術。
まるで物なんか無いほうがイイと言われているようだ。
いつの間にそうなった?いつからそうなった?
歯車が逆回転している。
私達が買い物をして部屋に物を置くたびに、豊かさが減っている。
ゴミ屋敷、汚部屋に近づくだけだ。
掃除の手間が増えるだけだ。
物には材料と工場が要り、梱包と運搬、販売も保管も修理も廃棄も。
金と時間と手間がかかる。
だが、それに見合った豊かさを増やせていない。
CDやDVDはダウンロードになった。
ソフトも本もダウンロードになった。
必要なのは物体ではなく、情報へのアクセス権になった。
必要なのは、IDとパスワードを覚えていることだけだ。
減らし、減らし、減らすのだ。
それは、物を増やして豊かさが増える世界とは違う。
パソコンやiPhoneは何が凄かったのだろうか。
あれは、電話と音楽プレイヤーとラジオと本とテレビと、、、
書ききれないほど全てのものを、一つにまとめた。
すなわち、他の全てを減らした。
何を足すかではなく、何を引くかだ。
私達はもう、最大まで満ち足りているのだ。
物が増えれば豊かさが増える世界は終わっている。
ギアが切り替わっていて、物を増やすと歯車が逆回転する世界にいる。
減らさないといけない。
部屋にあるもの、ポケットに詰め込んだもの。
カバンの中身、頭の中身、パソコンの中身。
増えすぎていて、大事なものが見えない。
Googleの検索機能を持ってしても、大事なものを検索できない。
何でもできる、どこへでも行ける、全てを持っている。
だが、何をすればいいのかは判らない。
それでは、何も持っていないのと、どう違うのだろうか。
歯車が逆回転していることに気づくべきだ。
私達は、すでに全てを持っている。ただ多すぎるだけだ。
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