2013年6月12日

機械との競争

この本を書店で見かけたとき、「俺は読まないぞ」と思った。

明らかに釣りっぽい題名で「3Dプリンタのせいで職人が不要に~」みたいな匂いがしたからだ。

ところが背に腹はなんとやら、読書の冊数を稼がないといけない諸事情ができたので、万人受けを狙ったこの本ならサクサク読めてしまうだろうと勘ぐり。
Amazonでポチった。

 

ムーアの法則で倍々になっていくコンピュータが人間の仕事を~。といった内容なのだが。

普段の私なら、きっとこう思っただろう。
仕事は機械に変わるほど簡単ではない。
職人や職業を軽く見るんじゃない。

しかし、偶然にも、これの前に読んだ本がこれだった。

先日ブログに書いた、魚の燻製の話で、 500匹作るか、2000匹作るかという判断。
計算はコンピュータでできるかもしれないが、計算式を作るのは人間しかいない。

幸福とは何かを、コンピュータは理解しない。

人間が機械と”競争”しなければいけない理由は無い。
機械には機械の得意なことがあるし、人には人の得意なことがある。
違う土俵で戦えばよい、敵対せず共闘すればよい。

「機械との競争」に書かれていたが、チェスで一番強いのは、コンピュータでも人間でもなく、人間とコンピュータのチームだそうだ。

魚の数を増やしたり、高品質低価格を求めるのは機械の仕事だ。
それに代わる新しい価値観、幸福や豊かさを増やすための仕事をしなくてはならない。
医者になるために医者の勉強が要るように、幸福になるためには幸福の勉強が要る。
幸福のなんたるかを理解しなければならない。

それこそが、人間の仕事になるだろう。

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