2013年6月14日

モノづくりの問題点

1、難しすぎて意味不明。
身の回りの物には、どれも難しく高い技術が使われている。
それは凄いことだが、大勢の人はどうやって作られているかを知らない。
電子機器など特にそうで、分解しても何も判らない。
知的財産、機密保持とやらで、さらに隠す。
誰かが作っているということを想像できない。
自分が作るなんて思うことも無い。
大勢にとってモノづくりは知らない世界。興味の対象にならない。

 

2、上手でなければならない。
そんな大勢の中で、モノづくりを始めた人がいたとしよう。
当然ヘタクソで、市販品には品質も価格も遠く及ばない。
まずバカにされる。されない程度まで上手くなったとしても、凄いねカワイイね。とは言ってくれるが、欲しいね買いたいね。とはならない。
心のどこかで、店に行けば良いものが安く手に入る。あんたのガラクタなんか要らないと言っている。
ヘタクソでも作りには価値がある。それを大切にする教育がなされていない。

 

3、作りより物が大切にされる。
そうして人は作りから離れる。
生産は海外で安く。物体を手に入れて喜ぶ。工場労働者なんかバイトでいいみたいな考え方は大間違いだ。
「OOがあれば職人は要らない。」「工場は危険、汚い、キツイ」
地道に積み上げていく職人がそんなに憎いのか、人件費をケチりたいのか。
正当に扱われないのなら、跡継ぎが居ないのは当然で破綻するのは時間の問題だ。
モノづくりの本質は、物ではなく作り。
本質が海外に蓄積すれば、日本など不要。
そうやって、モノづくりから切り離された我々は、店に行ってこう言うのだ。
「もっと安くしてよ」
価値ある作りを捨てて、ただの器に高品質低価格を求める。
自ら仕事をキツくして給料を下げている。自分の首を締めていることに早く気付くべきだ。
小学生の粘土遊びのほうが、ずっと価値がある。

 

4、知的財産が重要視される。
知的財産は本来、アイディアや研究を守るためにある。
隠さず開示することによって、研究者の成果に対価が払われ、共有することができる。
だがそれは、大企業に限定した話だ。
財産になるような大きな権利を獲得したり法律家を通して利用するのは、個人にとって現実的ではない。
個人には、自分の発明がどんなものなのか把握すらできず、法や権利において大企業に太刀打ちはできない。
知的財産は大企業のために存在し、個人にとっては、金も時間もメリットがあるとは思えない。
時代は知財だ。権利だ。機密だのと言われても、頷くのは大企業の偉い人だけで、その他大勢にとって、全く意味を持たない。
それどころか、自分が法を犯していないか怯えたり膨大な書類や手続きに追われるのなら、部屋に引き篭もったほうがずっとマシなモノづくりライフが送れる。
知的財産は、個人のモノづくりにとっては足枷でしかない。

0 件のコメント: