去年、MAKERSとか、FabLifeとか、という本を読んだ。
それはとても感動的で、これから新しい世界が始まるんだという期待を抱かせてくれた。
確かに、面白い。素晴らしい世界だ。
だが、それはモノづくりが好きな人だけの話であって、一般人には関係が無い。
モノづくりの人間は、すでにモノづくりをしているのだから、今までと何ら変わらない。
だから、巷で騒がれている「革命」のような変化は起きない。
マニアックな人が新しいオモチャを手に入れただけ、メディアが誇張して騒いでいるだけ。
世界は何ら変わらない。
革命など起きない。
モノづくりを知っている人間ならば「革命など無い」というのがもはや普通になってしまった。
無理やりこじつけても「革命」と呼ぶには無理があることに気付き始めた。
だから、今ではメディアで「革命」と叫ぶことはほとんど無い。
だからこそ、私は「革命」を支持する。
私は常に異端である。
まずは1冊目。
ぼくはお金を使わずに生きることにした。
著者は1年間、金を使わずに生活した。
その内容が書かれている。
オオバコ茶、パンクしない自転車のタイヤなど。
やってみたい内容は多くあった。
金イコール価値ではないし、イコール幸福でもない。
その実例を事細かに示してくれる。
私は温かいシャワーを贅沢に浴びるのが好きなので、著者の真似をする気は無い。
流行させるには、「恋人にロマンチックを演出するには金が要る」という点を覆さなければならない。
これをすればモテる!という不純な動機は必要だ。
二冊目はこちら。
Bライフ。
1冊目はトレーラーハウスに住んでいるが、こちらは家を建てる。
(家なのかどうかは判らないが)
そして、これは日本の話だ。
動産か不動産か、建築基準法がといった。
リアリティに溢れた事実が書かれている。
この著者の特筆すべき点は。
「モノづくりは好きではない」とか、「家庭菜園が食費の足しになると思わない」
といった、ある意味ネガティブかつ現実的な考え方があることだ。
モノづくりの本は、モノづくりが好きなことを前提に書かれている。
だから、モノづくりが嫌い、出来ない人には前提が崩れる。
一部のマニアックだけにしか通用しないのであれば、世界は変わらない革命は起きない。
その点、このボロボロ(失礼)の具体例は、リアルに想像できる魅力と問題点を示している。
三冊目はこちら。
スモールハウス。
二冊目のBライフでは「一生寝転がっていても文句を言われない」とか、端的に言うと面倒くさいとか、ダラダラしたいという感情的な文面が多いのだが。
スモールハウスは、非常に理詰めかつ具体的にスモールハウスの魅力を伝えてくれる。
驚くことに二冊の著者は同じ。
さすがの東大卒。そして路上生活経験者だというから、そのギャップに非常に惹かれる。
スモールハウス。
この本は是非、読んでみるべきだ。
大勢がこの本を読めば、世界は変わる。
モノづくりみたいなマニアックな話ではなくて、リアルに私達の生活そのものの話をしている。
家は必ず必要なものだし金額も大きい。
そこから、例えばローンを払うために満員電車に押し込まれるのが良いのか?
首が飛ぶことに怯えたり、毎朝寝坊してはいけない生活を40年ほど送るのは良いのか?
それは幸福なのか?といったことを問うもので。
正直、私程度では反論の余地が無い。
実際、海外にあるスモールハウスの例を見ると、非常に優雅だ。
ボロボロの中古マイホームよりも、ずっと魅力的、別荘のように思う。
それが、自動車と同じような値段で買えるとしたら、選択肢の一つとして有りだ。
売上、利益、給料、GDPが上がって、経済が成長する。
だが、それで私達は幸福になったのか?
最大化すべき幸福が上昇しないのだとしたら、それを目的にするのは間違っている。
スモールハウスを福島の被災地に展開したら、数千万の家を買うとか仮設住宅で過ごすよりも、ずっと裕福になれると思うのだが。
検索しても、そういう業者が出てこないのは、どういった問題があるのだろうか。
あと、一冊目の感想にも書いたのだが。
「モテる」必要がある。
私がスモールハウスを買ったら、きっと変人扱いだろう。
彼女のお父さんに説明しにくい。
だから、もうちょっと普通というかなんというか、「モテる」仕様になって欲しいんだがねぇ。
モノづくりのモノと作り。
何を作るべきなのか、価値はどこにあるのか。
価値とは、幸福とは何なのか。
それを具体化するために、何をすべきなのか。
実現すれば、革命に違いない。
解は近いのか?
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