2013年12月20日

読書感想文3冊

去年、MAKERSとか、FabLifeとか、という本を読んだ。
それはとても感動的で、これから新しい世界が始まるんだという期待を抱かせてくれた。

   

確かに、面白い。素晴らしい世界だ。
だが、それはモノづくりが好きな人だけの話であって、一般人には関係が無い。
モノづくりの人間は、すでにモノづくりをしているのだから、今までと何ら変わらない。
だから、巷で騒がれている「革命」のような変化は起きない。
マニアックな人が新しいオモチャを手に入れただけ、メディアが誇張して騒いでいるだけ。
世界は何ら変わらない。
革命など起きない。

モノづくりを知っている人間ならば「革命など無い」というのがもはや普通になってしまった。
無理やりこじつけても「革命」と呼ぶには無理があることに気付き始めた。
だから、今ではメディアで「革命」と叫ぶことはほとんど無い。

 

だからこそ、私は「革命」を支持する。
私は常に異端である。

 

まずは1冊目。
ぼくはお金を使わずに生きることにした。

著者は1年間、金を使わずに生活した。
その内容が書かれている。

オオバコ茶、パンクしない自転車のタイヤなど。
やってみたい内容は多くあった。

金イコール価値ではないし、イコール幸福でもない。
その実例を事細かに示してくれる。

私は温かいシャワーを贅沢に浴びるのが好きなので、著者の真似をする気は無い。
流行させるには、「恋人にロマンチックを演出するには金が要る」という点を覆さなければならない。
これをすればモテる!という不純な動機は必要だ。

 

二冊目はこちら。
Bライフ。

1冊目はトレーラーハウスに住んでいるが、こちらは家を建てる。
(家なのかどうかは判らないが)
そして、これは日本の話だ。

動産か不動産か、建築基準法がといった。
リアリティに溢れた事実が書かれている。

この著者の特筆すべき点は。
「モノづくりは好きではない」とか、「家庭菜園が食費の足しになると思わない」
といった、ある意味ネガティブかつ現実的な考え方があることだ。

モノづくりの本は、モノづくりが好きなことを前提に書かれている。
だから、モノづくりが嫌い、出来ない人には前提が崩れる。
一部のマニアックだけにしか通用しないのであれば、世界は変わらない革命は起きない。

その点、このボロボロ(失礼)の具体例は、リアルに想像できる魅力と問題点を示している。

 

三冊目はこちら。
スモールハウス。

二冊目のBライフでは「一生寝転がっていても文句を言われない」とか、端的に言うと面倒くさいとか、ダラダラしたいという感情的な文面が多いのだが。
スモールハウスは、非常に理詰めかつ具体的にスモールハウスの魅力を伝えてくれる。

驚くことに二冊の著者は同じ。
さすがの東大卒。そして路上生活経験者だというから、そのギャップに非常に惹かれる。

スモールハウス。
この本は是非、読んでみるべきだ。
大勢がこの本を読めば、世界は変わる。

モノづくりみたいなマニアックな話ではなくて、リアルに私達の生活そのものの話をしている。
家は必ず必要なものだし金額も大きい。

そこから、例えばローンを払うために満員電車に押し込まれるのが良いのか?
首が飛ぶことに怯えたり、毎朝寝坊してはいけない生活を40年ほど送るのは良いのか?
それは幸福なのか?といったことを問うもので。
正直、私程度では反論の余地が無い。

実際、海外にあるスモールハウスの例を見ると、非常に優雅だ。
ボロボロの中古マイホームよりも、ずっと魅力的、別荘のように思う。
それが、自動車と同じような値段で買えるとしたら、選択肢の一つとして有りだ。

売上、利益、給料、GDPが上がって、経済が成長する。
だが、それで私達は幸福になったのか?
最大化すべき幸福が上昇しないのだとしたら、それを目的にするのは間違っている。

スモールハウスを福島の被災地に展開したら、数千万の家を買うとか仮設住宅で過ごすよりも、ずっと裕福になれると思うのだが。
検索しても、そういう業者が出てこないのは、どういった問題があるのだろうか。

あと、一冊目の感想にも書いたのだが。
「モテる」必要がある。
私がスモールハウスを買ったら、きっと変人扱いだろう。
彼女のお父さんに説明しにくい。
だから、もうちょっと普通というかなんというか、「モテる」仕様になって欲しいんだがねぇ。

 

モノづくりのモノと作り。
何を作るべきなのか、価値はどこにあるのか。
価値とは、幸福とは何なのか。
それを具体化するために、何をすべきなのか。
実現すれば、革命に違いない。

解は近いのか?

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