2019年10月29日

中国語の話_19

終わりと言ったな。あれは嘘だ。
 
何回も言ったが、俺は語学が苦手だ。
中国語にも、英語にも、異文化交流にも、まるで興味が無い。
数字の1~10を覚えるのに1年かかるほど、外国語なんてどうでもいい。
 
だが、それは一体どういうことだろうか。
なぜ、外国語が苦手なのか。
 
仮にだ。
外国語の○○が嫌いだ。○○が✕✕ならばもっと上手く学べるのに。
というような理由が明確になれば、現状を変えることができる。
それは俺だけではなく、俺と同じように外国語にアレルギーを持った全員に対して、特効薬になるかもしれない。
 
得意なことをやるのは良いことだ。
嫌いなものから逃げるのは良いことだ。
俺は、強い相手に挑むことが必ずしも良いこととは思っていない。
 
だからこそだ。
外国語が嫌いで興味の無い人間は、一体どうすればいいのか。
それは、得意な人間には判らない。
 
前置きが長くなった。
 
例えばだ、外国語を習うとき、最初に何をするだろうか。
「こんにちは。私は○○です」
「日本人です。東京から来ました」
「これはペンです。彼はトムです」
これらは日常会話だ。
だが、日常会話、旅行で使う言葉、仕事で使う言葉、テストに出る言葉は違う。
読む、書く、聞く、話す、これらも違う能力だ。
 
旅行程度ならばスマホの翻訳機能でなんとかなる。
仕事で英語のメールを貰っても、簡単な送受信なら中学英語で事足りる。
 
そもそも、何のための外国語なのか?
「目的」が必要だ。
目的なく、ただ漠然と挨拶とか、単語とか文法とかが始まっても、やる気が全く起こらない。
 
そして目的には目標が必要だ。
HSK3級に合格するという目標があれば、600単語が必要であるから。
残り時間が半年ならば、一ヶ月に100単語、一日で3~4単語を覚えなければならない。
それが明確でないから、進んでいるのか遅れているのかすら判らない。
 
特に語学は明確なゴールが無い。
私達は日本語を話せるが、小説家になったり落語家になったりは難しい。
それらは日本語以上の何かが必要だ。
目的が曖昧なままでは、外国語を勉強しても、残念ながら目的は達せられない。
そして、進んでいるのか遅れているのかも判らない。
 
例えば、ピンインは400種類、声調を含め1600種類。
常用漢字は2000、準常用漢字が1000。
HSK3級には600単語。
そういう明確なゴールが要る。
 
経路も時間も距離も不明なカーナビがあってたまるか。
そんな状態では目的地に到達しない。
 
俺が外国語に興味が無いのは「目的」が無いからだろう。
だから例えばHSK3級で250点以上を取るだったり。
中国語トランプを作って中国人と遊ぶだったり、そういったものが必要だ。
 
さらに言えば、その目的がモチベーションを維持するだけの魅力が無ければいけない。
俺はモノづくりの人間だから、中国語トランプに興味があった。
プログラミングが好きならば、英語はできなくともプログラムのコマンドは覚えているだろう。
そうやって、興味のあるものと結びつけ、魅力の感じる目的に向けて、具体的な時間と数量と行動に落とし込まなければ、継続した学習など望めない。
判りやすい言い方ならば「モチベーション」だろう。
 
確かに、王道の言語学習メソッドはある。
だが、それで済むなら苦労などしない。
残念ながら、中学高校で習った英語がゴミカスだと感じて、外国語全般にアレルギーを持ち、日本列島という島の外側への興味がゼロになってしまった成れの果てである。
そこに風穴を開けるためには、中国語に興味が無い人による中国語が必要だ。
 
俺はド変態である。
理解などされようと思っていない。
こうやって文字を垂れ流しているのも、誰かに伝える意思など無い。
同じように、中国語をコニュニケーションだとも思っていない。
俺は人間に興味が無く、コミュニケーションなどしたくないと思っている。
言語以前の問題だ。
 
今まで自分をダメ人間だと思っていた。
だがそれは違う。(違わないが)
世の中のほとんどはダメ人間である。
だが、ダメ人間なりにどうにかしようとするものである。
堂々としていればいいのだ。
 
俺は「ニーハオ」と「シェイシェイ」しか知らずに中国に行った。
そして、話しかけられたら「判りません」と日本語で答えた。
俺が外国人で、言葉が通じないことが判ってもらえた。
それで十分だ。
下手に回りくどい言葉を並べ立ててトラブルに発展するのは、むしろ日本人同士である。
言葉など判らないほうがいい。
 
この話は長くなるから、ここで終わりだ。
今度こそ、本当に終わりだ。

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