2023年9月3日

リモートワークと空間的複雑性

リモートワークがしたい。
そのためには納品物のデータをメールで送れればよい。
物や設備や地理に影響されない仕事。
それは納品だけでなく、製造工程も含まれる。
データを得るために設備での試験や測定が必要ならリモートワークはできない。
試験や測定は外注にして、解析や意思決定だけを行うならばリモートワークができる。
プログラミングやシステム開発のように、パソコンで完結するものならリモートワークができる。
そう思っていた。
だが、それは違うのではないか?
 
仕事には調整が必要だ。
調整とは部門間のコミュニケーションや報連相だ。
 
調整が必要な理由は組織構造の複雑性があるからだ。
組織構造の複雑性は3つある。
・水平的複雑性(部門間)
・垂直的複雑性(上司と部下)
・空間的複雑性(離れた支社)
 
そう、リモートワークをすると空間的複雑性が増える。
「出社したほうが仕事がやりやすいよね」
「対面でお話ししましょう」
そんな声が出るのは、実際に会えば空間的複雑性を減らすことができるからだ。
 
つまりだ。
空間的複雑性の調整をうまく行うことができるか?
それこそが、リモートワークができるかどうかの鍵である。
 
上司や顧客の要望は?
今日のタスクは?
モチベーションの維持は?
情報共有の方法は?
進捗管理は?
そういった問題を、空間的複雑性を乗り越えて解決すること。
それがリモートワークができる条件である。
 
デジタル化やパソコンスキルは一部分でしかない。
空間的複雑性を乗り越えること。
それこそがリモートワークに必要な能力である。

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