2011年10月31日

CADエンジニアのジュエリーな話_31

31回「大切なのは手作りだ!」

 

先日、こちらを作りました。
image

コンテストのと同じデザインで。
新しく作って、身内にあげました。
(少し変えましたが)

 

この石座、手打ちのGコードを使い。
切削機で削っています。
白いラインはエンドミルが通る軌跡です。
image

ところが、切削時にZの数値を間違えてしまい。
石座が浅くなってしまいました。

これでは石が収まらない。

 

切削機から外してしまうと、もう一度同じ場所に合わせることはできません。
どうしましょう。

 

答え。
ドリルでグリグリする。

 

あまりに単純な答えです。
それで解決しました。

 

光造形の積層が粗い?
じゃあヤスリで磨けばいい。

 

3DプリンターやCADがあったら、職人の仕事が無くなる?
それは違います。

 

手作りのできる職人しか3Dプリンターを使えない。

 

やってみれば判ります。
一朝一夕でできるような簡単な代物ではない。

 

3Dプリンターはまだまだ発展途上です。
高性能なものもありますが、とんでもない値段。
家庭用のプリンターのような値段になることは無い。

それを待つならば、手作りを練習したほうが早い。

 

機械の発展など待っていたら、職人はどんどん先へ行ってしまい。
到底追いつけない領域へ行ってしまう。
機械を開発する人なら別ですがね。

 

手作りを学ぶべきは、CAD側の人間。
CADを学ぶべきは、手作りの人間です。

 

思えば、↑の石座はもっと簡単なGコードで良かったと思います。
斜めの部分はドリルでグリグリすれば良かった。

それなら3Dである意味は無い。
(2.5次元といいます)

石座のリューターポイントでグリグリすれば済んだかもしれません。
そしたらCADも切削機も要りません。

 

自分の技量が判らなければ、ここの判断をすることが出来ない。
手作りをやってみて、「これなら出来る」のラインを知らないと出来ない。

 

それをしないで黙って指をくわえ。
高性能で安価な機械が出るのを待つなんざ、モノづくりに携わる人の考えじゃない。

 

CADはコンピュータによる設計”支援”です。
全自動なんて言ってません。

 

 

次回「未定」
01回から見たい方はこちら。
ご意見ご質問は、コメントへどうぞ。

スワロフスキーGEMSコンテスト。

皆様を応援しています。
ぜひ投票ボタンをぽちっと。
部門ごとに、1日1票ずつ入れられます。
(名称は五十音順です)

クリエイティブ部門。
佐藤善久さん
渋谷みささん
早坂光←これ俺

ブライダル部門。
高橋美涼さん
橋本佳代さん
東川千津子さん

0 件のコメント: