2012年3月24日

モノづくり雑記

昨年末にiModelaという切削機が発売して、模型関係の人から注目された。
機械切削は日常生活から遠いものだが、それが広く認知されるのは面白いことだ。
私はKitMillという10万円の機種を使っている。

プロから見たら、速さや力が足りないとか回転軸が無いなど問題点はある。
逆に素人から見たら、100万の商品は選択肢に入らない。
25万の機種でさえ、あまり注目されていなかった。

 

性能と価格。
カタログに表示されるのはそれだけだが、実は大切なことは別にある。

 

1000万の切削機を手に入れたとして、すぐには使えない。
10万円の切削機がすぐ使えないのも同じで。
性能も価格も問題ではない。

 

10万円の切削機はパワーが無い。
硬いものや高さのあるものは凄く時間がかかる。
数センチの樹脂でも10時間とかを覚悟しないといけない。
連続運転にモーターが耐えられるか。

 

じゃあダメじゃないか。とするのは違う。

 

3次元加工でなくてもよい。
模様だけ彫って、全体に紙ヤスリをかければイイ感じに曲面になる。
号数ごとに用意しなければならない指輪は販売しない。とか。

 

必要なのは創意工夫。
どんな高性能な機械でも、細やかな調整は絶対に必要だ。
回転軸がなくても裏表を削ることは可能。

ならばどうするか。

 

できることしかできないのだから、できることをやるのみ。

 

手作りかCADか、製造工程は消費者にとって関係ないが。

モノづくりには創意工夫が必ずある。
物語が必ずある。
それを見て欲しい。

性能と価格だけではない。

物語を見る、体験して楽しむことができれば。
モノづくりから幸福に繋がることができるのではないか。

 

年収が増えても、テクノロジーが進歩しても。
イコール幸せではない。

 

どんな高級チョコよりも、恋人の手作りチョコには価値がある。

安い機材だとしても、小学生の粘土遊びだとしても。
物語は絶対にあって、それこそが価値であり幸せなのではないかと思う。

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