昨年末にiModelaという切削機が発売して、模型関係の人から注目された。
機械切削は日常生活から遠いものだが、それが広く認知されるのは面白いことだ。
私はKitMillという10万円の機種を使っている。
プロから見たら、速さや力が足りないとか回転軸が無いなど問題点はある。
逆に素人から見たら、100万の商品は選択肢に入らない。
25万の機種でさえ、あまり注目されていなかった。
性能と価格。
カタログに表示されるのはそれだけだが、実は大切なことは別にある。
1000万の切削機を手に入れたとして、すぐには使えない。
10万円の切削機がすぐ使えないのも同じで。
性能も価格も問題ではない。
10万円の切削機はパワーが無い。
硬いものや高さのあるものは凄く時間がかかる。
数センチの樹脂でも10時間とかを覚悟しないといけない。
連続運転にモーターが耐えられるか。
じゃあダメじゃないか。とするのは違う。
3次元加工でなくてもよい。
模様だけ彫って、全体に紙ヤスリをかければイイ感じに曲面になる。
号数ごとに用意しなければならない指輪は販売しない。とか。
必要なのは創意工夫。
どんな高性能な機械でも、細やかな調整は絶対に必要だ。
回転軸がなくても裏表を削ることは可能。
ならばどうするか。
できることしかできないのだから、できることをやるのみ。
手作りかCADか、製造工程は消費者にとって関係ないが。
モノづくりには創意工夫が必ずある。
物語が必ずある。
それを見て欲しい。
性能と価格だけではない。
物語を見る、体験して楽しむことができれば。
モノづくりから幸福に繋がることができるのではないか。
年収が増えても、テクノロジーが進歩しても。
イコール幸せではない。
どんな高級チョコよりも、恋人の手作りチョコには価値がある。
安い機材だとしても、小学生の粘土遊びだとしても。
物語は絶対にあって、それこそが価値であり幸せなのではないかと思う。
0 件のコメント:
コメントを投稿