2012年4月29日

職人

今日、自転車の修理に行ってきた。

いつもはパンクで今回はブレーキの修理。
なんやかんやで、年1回くらいはお世話になる。

 

正直、あまり行きたくなかった。
自転車屋のオヤジは怖い人で、絵に書いたような職人。
そこらへんのサービス業とは全く違い、客のこっちがビクビクするような喋り方をする。
直してもらっている間に、キッカリお釣りが無いように代金を用意したい。

いつも手を真っ黒にして、バイクや自転車をいじっている。
机上のお勉強や、マニュアルに従ったバイトではない。

ずっとずっと信頼できる人だ。

 

以前、私が工場に務めているとき。
上司は似たような職人だった。

腕は確かだが、口が悪く周りから嫌われている。
今思えば良い人だったが、高卒の私には受け入れられなかった。

 

3Kだの言われ後継者不足だそうだが、それこそ風評被害だ。

職人の口の悪さ程度に閉口していたら、どんな仕事もできない。

言語で伝達できないから、教育は無い。
手を動かし失敗して、怒鳴られて体で覚える。
マニュアル化できないことを習得するから、職人は貴重なのだ。

 

知的、論理、効率、それも必要かもしれないが。
それは目的ではない、主軸ではない。

純粋に、単純に、モノづくりが好きだから。
加工機の前で寝泊りしたいと本気で思える。

 

楽しさに気付けば、そんな変態は無数と居るはずだ。
3Kだのと言って遠ざけて、モノづくりを知らない人を量産する。
それでは、どんなに高品質低価格であっても、価値を感じられない。
豊かになれない。

 

現場の職人を、安くて汚い仕事と思うのは辞めていただきたい。

 

これから目指すのもいい。
今、務めているのなら、もっと誇りを持つべきだ。
キレイキレイな仕事に憧れて転職するのは、オススメしない。
そんなものは幻想だ。

 

それは、過去の私。

 

決して今の仕事に不満があるわけではない。
現場を軽くみた過去の自分を戒めたいという意味だ。

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