2013年1月24日

Made by Hand

メイカーズ、Fab、ファブライフも面白い本ですが。
この本は、それとはずいぶん違うモノづくりが載っています。
抽象的な概念や、難しい技術はありません。
鳥小屋を作って、ニワトリを飼ったりする話です。

 

最高に感動した一文を紹介します。

 

”労力や出費は二の次だ。DIYで作られた物はもちろんそれ自体に価値があるが、同時にそれは製作の体験を留めておくものでもあり、その体験そのものが、体験の代価なのだ。”

 

モノづくりのモノは器であり、本質は物体ではなく作るという行為にある。
まさか、その通りのことを言ってくれるとは思わなかった。

 

高品質低価格は価値ではない。
では何が価値なのか。

AppleはiPhoneという物体を売っているのではなく、体験を売っている。
今まで体験が価値だということを理解できなかったが。
今、うっすらと判りつつある。

 

何でも高品質低価格で手に入るようになった。
便利になったが、幸福にはなれなかった。
むしろ失くしてしまったのかもしれない。

価値とは何か。
幸福とは?豊かさとは?

 

体験の代価は体験。
私は以前、モノづくりが低価格を通り越してマイナスになると言った。
金を払って作らせてもらうエンタテイメントになると言った。
けれども、それは間違いだったかもしれない。
体験の代価は体験であり、払うも貰うも価格は含まれず。
価値や幸福に対して、価格は意味を持たないのかもしれない。

 

素晴らしい本だ。
目指す真理に、一歩近づいた。

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