2013年2月23日

【3Dプリンタ】第17回「3Dプリンタって何だ」

最近は様々な雑誌に掲載され、分野を飛び越えて広まっているように思います。

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ここに書くのは、3Dプリンタを使っている人なら誰でも知っていることですが。
使っていない人には知ることのできない話です。

 

問1。
3Dプリンタで何が作れるのか?

答1。
何でも作れます。
3Dプリンタは、数万円から数千万円まで、複数の造形方法があり、適切なものを選択して使ってください。
ただし、設計して3Dデータが作れ、さらにアナログ仕上げが出来ない人には扱えません。

 

問2。
3Dプリンタで職人の仕事が無くなるのか?

答2。
無くなりません。
数千万のハイエンド機でも仕上げはアナログ職人任せです。
(やったことがあります)
皮肉にも、3Dプリンタはアナログ職人に依存した機械です。
3Dプリンタは80年代からある技術ですが、現在まで職人の仕事は残っています。
個人で楽しむにしても、パテをこねたり塗装する技術が重要になってきます。

 

問3。
CADは手作りの温かみが無いのか?

答3。
違います。
アナログでは、手作り感のあるものもカッチリしたものも作れますね?
デジタルでも同じく、温かいものも冷たいものも作れます。
作れないのは、下手くそだからです。

 

問4。
3Dプリンタで得られるものは何か?

答4。
経験です。
3Dプリンタは、3Dプリンタという経験ができる機械です。
一般の家電に比べ、簡単ではありません。
市販品に比べ、安くありませんし、品質も悪いです。
それを良しとしない人にはオススメしませんが。
やってみると何かに目覚めるかもしれません。

 

一部、3Dプリンタが資本主義や大量生産を変えるといった話もありますが。
3Dプリンタは、これから、簡単で高品質低価格になります。
皮肉にも、大量生産の恩恵をフルに受けることで、一般に広まると言えます。

ただし、どんなに手軽になっても用途は限られるので、ある程度しか浸透せず、簡単になるほどに現在できている経験からは削られる部分があるので、経験を価値としている人は離れてしまいます。
ですから、RepRapのようなマニアックな遊びと、利便性を追求した単なる道具に二極化すると思います。
メーカーパソコンと、自作パソコンのような感じです。

 

3Dプリンタを自作するのは、3Dプリンタ自体が目的ですが。
そうではなく、単に道具として使い、何を作るのかを考える人も出てきます。
(プリンタは本来そういうものだったはずです)
その場合、必要なのは、プリンタを使いこなせる、3Dモデルを作れることですが、それも道具に過ぎません。
本当に必要な技術は、設計デザインです。

何が価値なのか、欲しがるか、売れるか。
形状、材料、製造方法をどうしたらいいのか。

その中で、3Dじゃないほうがイイことも出てきます。
プラ板をカッターで切ったほうが、ずっと優れていることもあります。
3Dプリンタは道具ですから。そんなものです。

それは、ずっと古来から変わらないものです。

自動車や建築だけがモノづくりではありません。
料理や手芸や、粘土細工、紙工作、日曜大工。
縄文時代に、槍や土器を作ったりするのから、何ら変わっていません。

樹脂を積み上げる3Dプリンタの方式は、ひも状の粘土を積み上げて土器を作るのと同じです。

 

3Dプリンタは精度が悪いとか、強度が無いとか言われますが。
後からヤスリで削ればいいのです。穴を開けて針金を通せばいいのです。
それも思いつかないのであれば、普段から工作すらやっていない人でしょうから。
モノづくりには無縁で、3Dプリンタなんてのはテレビの向こう側の話でしかありません。

 

マニアックな人以外には関係が無い。

自動車、オーディオ、彫金、手芸といった趣味の中に「3Dプリンタ」が増えるだけです。

ハサミ、ノリ、カッター、ハンダゴテといった道具の中に「3Dプリンタ」が増えるだけです。

 

だから思うのです。

世界は何も変わっていない。

どこらへんが革命なのか。

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