2013年4月27日

やってみる

用途はともかくとして、箱を作っていた。
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L字アングルを木ネジで止める、誰でもできる簡単な作業。
などと思ってしまうのは判っていない。
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木ネジを締めると木が割れる。
だから、キリで下穴を開ける。
細いネジでは力が入らず、奥まで入らない。
下穴を広げるとネジが空回りする。
太い長いネジを使うには、それに合わせた金具、板厚が要る。
ホームセンターにたくさんの木材が売っています。
どの材質を選べばいいでしょうか。

L字アングルを締めると板が歪みます。
目的の用途は、どこまでの誤差を許容するでしょうか?

蓋の部分にはヒンジを使います。
ヒンジもたくさんの種類があります。
形状も開き方も様々です。

ヒンジの選択を誤ってしまい、目的の機能を満たせず。
簡単と思えた箱の作成は、まさかの頓挫。

 

そこで思い出しました。
高品質低価格は価値ではない。

現場は熟練の職人で成り立っているのであって、キレイキレイな妄想とは違います。
その高度なテクノロジーは一般に理解されません。

理解しない素人が悪いのではありません。
理解させないプロが悪いのでもありません。

考え方が間違っています。
稚拙でいいのです。
ボロボロの出来損ないでいいのです。
それを許容しない世界こそ間違っている。

私にヒンジは難しすぎました。
私が求めていたのはこれだ。
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見事ベストマッチ。
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最終的な目的のために、何がベストでしょうか?
今している苦労は、本当に必要でしょうか?

頭の中にある妄想を具現化するとき、どんな問題が起きるか?
素人が考えて判るはずがありません。
それを、品質が悪いだの、価格が高いだのとケチをつけるのは辞めていただきたい。
これからは、数百円のヒンジを見て称賛すべきだ。

 

私にセンスが無く、不器用でヘタクソなのは認めます。
それでも、必ずしもそれが悪いというわけではない。

「出来る」は妄想。
「出来た」は結果。
「やった」は過程。

経験は「やった」であり、過程です。
経験が価値ならば、結果よりも過程に重きを置くべきなのです。

先日私は、「価値は過程に存在した」と言いました。
過程とは道。
柔道、剣道、武士道のような道。

卑怯な手を使って勝負に勝てば良い、なんてことはありません。
モノづくりも同じ。
完成品の品質や価格は結果に過ぎず、それは見るべき価値ではありません。

見るべきは価値は過程、道です。

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