唇はあっても、口という物体は存在しない。
ドアはあっても、入り口という物体は存在しない。
器はあっても、価値という物体は存在しない。
器は、価値を留めておくのに必要だが。
価値そのものとは違う。
器の内側は空っぽ。
何も無い箇所こそ見るべき箇所。
埋まってしまったら、器の機能を果たさない。
物はあっても、モノづくりという物体は存在しない。
物は器。
モノづくりは、価値を作らないといけない。
一周回ってもう一度。
価値とは何か。
価値はすでにそこにある。
だが見えない。感じない。
遠くに鳥がいても、双眼鏡で見ないと判らない。
空が晴れていても、部屋の中では判らない。
双眼鏡は道具。
部屋から出ることは手段。
器を価値で満たす。
手段を用いて目的を果たす。
だが、鳥を見ることが全てではない。
空を見ることが全てではない。
その価値、目的は再び器となり手段となる。
鉄鉱石という器を満たし、鉄にする。
鉄という器を満たし、鉄板にする。
鉄板という器を満たし、ドアとする。
ドアという器を満たし、自動車とする。
自動車もまた手段となり、別の目的を果たす。
目的は、再び手段となる。
間違ってはいけないのは、その逆。
手段を集めても目的とはならない。
器を集めても、価値とはならない。
空のペットボトルを集めても、その先を考えていなければゴミでしかない。
空の鉢植えを集めても、その先を考えていなければゴミでしかない。
器という物体は必要だ。
だが見るべき価値は、それではない。
モノづくりという物体は、存在しない。
さあ価値とは何だ。
物体の要らない世界で、製造業は何を作るべきか。
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